「カラカラ」と「サザンドラシステム」と「三段論法」と

これを読んで理解できなかった読解力なさすぎ人間の反省記事です.

甥っ子「カラカラってお母さんの骨かぶってるんだよね…?」
わし「そうだよ……」
甥っ子「子供が1匹しか産まれなかったら、絶滅しない?」
わし「賢……………」

着眼点が賢すぎる 本当に小3か?

でもそのあと「お母さんはサザンドラみたいなポケモンかも…!!」って名推理決めてました すき

これを読解できなかった一番の原因として,私が「子供が一匹しか産まれなかったら絶滅するのは当たり前では?」と最初に思ったこと.

なので私は,「賢い」と甥っ子の叔父(伯父)さんが思ったポイントはどこだろう,と探し始めます.*1

「カラカラってお母さんの骨かぶってるんだよね」と次の発言の「子供が1匹しか産まれなかったら、絶滅しない?」の論理の繋がりを探し始めます.

ここで私の脳内では,甥っ子の発言の「カラカラってお母さんの骨かぶってるんだよね」とその次の発言の「子供が1匹しか産まれなかったら」の2つを議論の仮定と置き,議論の結論として「絶滅しない?(絶滅するだろう)」としています.ここで,最後のサザンドラ理論が入ってきて,カラカラの母親が幾つも頭を持っていると仮定すれば絶滅しないってどういうこと???と混乱し始めます.

つまり,私の脳内ではこの元ツイの甥っ子の議論がこの様に整理されることとなります.

前提1「全てのカラカラはお母さんの骨をかぶっている」

この前提から導かれることとして,「母親の骨を被っていないカラカラは存在しない」がある.これは前提1の否定を取ったものである.

前提2 「母親の頭の数だけ子供を産める」

甥っ子が「お母さんはサザンドラみたいなポケモンかも…!!」と言ったことから,前提2が甥っ子の議論の仮定にあるのでは?と勘ぐった.

これらの前提から「一匹しか産まれなかったら絶滅する」の結論が出てくるか?と考えました.

「一匹しか産めない=(一個しか頭をもっていない)ならば絶滅する」と読み取れるよなぁとか,「全てのカラカラはお母さんの骨をかぶっている」ということと「一匹しか子供を産めないなら絶滅する→2匹以上子供を産めるならば絶滅しない」という2つの直接的な因果関係は無いでしょ...とか,ぐちゃぐちゃ考え始めます.もう私の思考回路は終わりです.なぜなら,前提が間違っているからです.

正解

甥っ子の前提はたった一つ,

「全てのカラカラはお母さんの骨をかぶっている」

であり,その結論として

一匹しか産めない

というシンプルなもの.

そしてそこから更に,

一匹しか産まれない

ということから結論

絶滅する

が得られる.

つまり,

AならばB,BならばCと言ってるだけ.

それを深読みしすぎて「AかつB」ならばCという議論であるとみなしてしまった.

「全てのカラカラはお母さんの骨をかぶっている」という発言に全てが詰まっていたのだ.この前提から導かれるはずの「母親は一匹しか産めない」が元ツイには無いのだ.このワンクッションを私は読解できなかった.

「全てのカラカラはお母さんの骨をかぶっている」→「一匹しか産めない」----|議論に壁がある|----「一匹しか産まれない」→「絶滅する」

が正解.

ここに加えて,

「全てのカラカラはお母さんの骨をかぶっている」→「一匹しか産めない」----|議論に壁がある|----「一匹しか産まれない」→「絶滅する」----|議論に壁がある|----「今,ポケモンの世界ではカラカラは絶滅していない」→「お母さんはサザンドラみたいなポケモン

となる.スッキリします.

なので,元ツイの甥っ子の発言をもっとわかりやすくすると

甥っ子「カラカラってお母さんの骨かぶってるんだよね…?(ということは,子供が一匹しか産むことが出来ないよね?)」

甥っ子「子供が1匹しか産まれなかったら、絶滅しない?(絶滅するよね)」

甥っ子「(ポケモンの世界では絶滅していない,そして子供は骨を被った状態で複数匹産まれなきゃいけないから,)お母さんはサザンドラみたいなポケモンかも…!!」

ということだ!!

はぁ...何もしてないけど疲れた..

元ツイで大きな誤解を与えてくれたのは「そうだね.....」という相槌.この一言で甥っ子の1つ目の発言と2つ目の発言が一つの議論として繋がっているように見えてしまったこと.そのように勘ぐってしまったらもう最後.意味がわからない文章に早変わり.

まず,議論として「全てのカラカラは母親の骨(頭蓋骨)を被っている」から「全てのカラカラは一匹しか子供を産めない」が導かれます. また,「その種の個体全てが一匹しか子供を産めない」から「その種の個体全ては絶滅する」が導かれます.

私の読解力は壊滅的にないことがわかりました.三段論法がわからない人間です.

ja.wikipedia.org

もう少し丁寧に

「全てのカラカラはお母さんの骨をかぶっている」→「一匹しか産めない」には論理の飛躍があるような気はします.もう少し補完すると

「すべてのカラカラのお母さんは頭を一つだけ持つ」という仮定を置いています.ここが元ツイからは見えにくいので,私が混乱した原因の一つでもあります.*2

すべてのカラカラはお母さんの骨を被っており,そもそもすべてのカラカラのお母さんは頭を一つだけしか持っていないため,すべてのカラカラのお母さんは一匹しか子供を産めないのです.*3

追加で私の答え

甥っ子がサザンドラシステム*4を思いついた道筋を論理的に導いてみよう.

カラカラ=A, 頭を一つ持つ=B,母親の頭蓋骨を被っている=C,2匹以上子供を産める=D,絶滅する=Eとして,*5

∀A=(B∧C)⇒∀A=¬D (1)

∀A=¬D⇒∀A=E (2)

この2つの命題は真であると仮定します.*6

三段論法より ∀A=(B∧C)⇒∀A=E (3) が導かれます.

しかし,現状としてカラカラは絶滅していないので

∀A=E

が偽となっています.

注意することは(3)自体は真です.ここから,背理法を使います.

(3)の対偶を取ると¬(∀A=E)⇒¬(∀A=(B∧C)) となり, ド・モルガンの法則も用いて ¬(∀A=E)=(∃A=¬E)

¬(∀A=(B∧C))=(∃A=¬B∨¬C) .

よって,(∃A=¬E)⇒(∃A=¬B∨¬C) が導かれます.

∃A=¬B∨¬C

が真となります. よって,カラカラが絶滅していないという事実から「頭が一つのみでないカラカラが存在する」もしくは「母親の頭蓋骨を被っていないカラカラが存在する」が導けます.正直言って∃A=¬B,∃A=¬Cはどっちも公式設定に反するので正味,絶滅の途中かもしれませんが.

甥っ子の推論は正しい*7が不十分であり,もう一つの推論「母親の骨を被っていないカラカラが存在する」は導けていないことがわかります.

ここまでの過程を見れば分かる通り,甥っ子の賢いポイントはサザンドラシステムを思いついたことでしょう.

ちなみにガバガバ論理学を使っているはずなので,ちゃんと詳しい人が厳密に解説してくれることを願います.どっかしら間違ってると思うのでご指摘お願いします.ほんまに...

甥っ子さんは私より賢いですね...おわり.

この記事3000文字超えてて笑っております.

zukan.pokemon.co.jp

zukan.pokemon.co.jp

*1:ここがすべての誤り

*2:こんな仮定置かなくても,カラカラを知ってれば明言化しなくていいと思う.しかし,サザンドラ云々の話があとに出てきたため,この仮定があるのかないのかが分からなくなりました

*3:「すべてのカラカラのお母さんは頭を一つだけ持つ」という仮定を置くよりもカラカラ自体を定義したほうが良いかもしれない.誰かやってくれ〜

*4:某変人が言ってた

*5:もっと言えばカラカラとカラカラのお母さんで分けなければならない.ここではカラカラが産まれてくるモノは異性のカラカラ二体のみで構成されたつがいからとする

*6:これらの命題が真であることそのものを記号で示すの難しいんだよね..教えてエロい人

*7:もちろん,「すべてのカラカラが一つ以上の頭を持つ」が真であればですが(偽であるはずがない)